仕事への情熱
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“仕事が生きがいであり、やりがい。”
33歳で独立すると決めて、大好きな自動車の業界に飛び込みました。気づけば、今年でこの業界35年のベテランになりました。
まずは、修行時代に自動車の板金と塗装を学びました。「どんな事故も直す」と胸を張って言える技術は、この10年の歳月で培いましたね。どこが事故して修理したのかかわからないような技術は、今なお師と仰ぐ当時勤めていた会社の社長から盗みました。その方は、年間3日しか休まなくて、ほぼ365日動いてるような人だったんです。技術もさることながら、その方から教わったのは「仕事への情熱」と「何でも直す」という姿勢ですね。当時はその方に四六時中同行し、一挙手一投足全てを盗みました。それが今でも私の財産となり、やりがいであります。
“どんな車もレストアしてきたんです。”
修行時代には、それはもうすごい車が運ばれくることもしばしばありました。事故でペチャンコになった車が運ばれてきたときは、本当に驚きました。こんな車直せっこないと思うほどの車でも、師匠は「再起不能の車でも直せるんだよ」と豪語し、現実しっかりと車体を復活させていました。それも、新車同様に継ぎ接ぎも分からないくらいにです。検査員が完成検査をしても全く分からないくらいに直してしまうんですね。今はそんな技術持っている人は、そんなにいないんじゃないですかね。私も起こし(大阪ではニコイチ、サンコイチと呼ばれる)という、生きている部品を組み合わせることは星の数ほどこなしてきました。確実に新品同様に仕上げる、レストアすることは、私にとっては朝飯前なんです。ごまかす技術は卓越しているんですよね。笑
“儲けは二の次。満足が最高の対価。”
塗装は何年やっても下手な人は下手です。付け焼き刃の技術では、見る人が見れば わかるほどに下手くそです。正直、忙しくて外注業者に頼む時もあります。ただ、最後はやっぱり自分の目と手で確かめます。お客様の安全を運ぶ仕事なわけですからね。パテ塗りは塗装は、正直左官屋ができるくらい綺麗ですよ。笑
この技術を後継者に継承していく、それが今の私の使命です。生涯現役、自分が教えてもらったことを今の若い世代に引き継いでいきたいですね。触っても、見ても気づかないくらいの技術というのはこだわりですし、ある種自分のエゴイストです。ただ、それが自分の職人としての人生であり、死ぬまでやり続けたいことなんですよ。正直、儲けは二の次です。何よりもこの技術でお客様が満足することが本望です。
“絶対に直す、それこそが私の人生”
絶対に直すって簡単には言えません。だから、今も他で直せない車はどんどん注文の依頼がくるんです。一人でやってるから本当大変ですよ。ただ、こだわっていくと限界なんて無いんですよね。究極に仕上げていくことに喜びを感じているからこそ、頂上なんて無いんです。これくらいでいいわ、なんて言ってたらお客様に喜んでもらえないですからね。生涯、この技術は磨いていきたいと思っています。
このプライド・誇りは師匠から受け継いだ大事な私の信念です。これを今の自動車板金や塗装に乗せて私はこれからも自動車と関わり、自動車を直していきます。これこそが私の人生であります。
